プレス機・金型に悪影響を及ぼす「ブレークスルー」とは?
抜き型の摩耗・チッピング※・機械の騒音や振動でお困りではありませんか?
そのお悩み、ブレークスルー対策を行うことで改善できるかもしれません。
※チッピングとは、、、金型(パンチやダイ)の刃先や角が欠けたり、細かく破損したりする現象のこと
ブレークスルーとは
打抜き加工の際、材料が破断した瞬間に発生する、ひずみ開放による衝撃のことです。
金型やプレス機本体だけでなく、振動により周辺機器にもさまざまな悪影響を及ぼします。
(ブレークスルー発生のメカニズム)
1, 打抜き加工中、材料はプレスに押される力に耐えており、プレスにはひずみが生じています(反力)。
2, 材料が完全に切れる(破断する)と、その耐えていた力が一瞬で解放され、プレスに生じていたひずみが
一気に0になります。
3, それまでプレス機は打抜き加工に必要な荷重を材料にかけていましたが、一気にその力が行き場を失い、
パンチやスライドが急に加速・振動することで、ブレークスルーが発生します。
経年劣化による機械部品の摩耗などで総合スキマが大きくなると、ブレークスルーも大きくなります。
ブレークスルーによる主な悪影響
① パンチの突っ込みが深くなる
→ パンチの摩耗
② 振動が大きくなる
→ 金型のチッピング、電子部品の故障、ボルト類の緩みなど、付属機器への悪影響
③ スライドに逆荷重が発生する
→ 連結機構部分(スライド、コネクティング・ロッド、クランク軸)の損傷
→ メインギアの摩耗促進(裏歯)
④ 騒音が大きくなる
→ 作業環境の悪化
⑤ フレームが急激に伸縮する
→ フレーム構造部品の破損・割れ
では、ブレークスルーによる衝撃や振動を抑えるには、どのような対策が有効なのでしょうか。
ブレークスルー対策
① 可動ストリッパーを使用する
可動ストリッパーを使用してスライドが下りる方向と逆の力をかけることにより、ブレークスルーによる衝撃や振動の低減につながります。
※ストリッパーには、主に可動ストリッパーと固定ストリッパーがあります。
可動ストリッパーと固定ストリッパーの違いは、打抜き加工(その3) ストリップ力の求め方は?をご覧ください。
② ボルスタの落とし穴を最小限にする
ボルスタの落とし穴が大きいと、ボルスタのたわみが大きくなり、ブレークスルーも大きくなります。
落とし穴を小さくできない場合は、インサートプレートを使用して下型が受ける面積を大きくすることで、下型のたわみを抑え、ブレークスルーを低減することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブレークスルーによる衝撃や振動は、金型の摩耗だけでなく、プレス機本体や周辺機器の故障、さらには作業環境の悪化にもつながります。「可動ストリッパーを使用する」「ボルスタの落とし穴を最小限にする」といった対策を行うことで、プレス機や金型を長く大切に使うことができます。
ご不明な点がございましたら、ぜひアイダにご相談ください!

