金型の固定って、どうすればいいの?①(パスカル株式会社様 ご協力)
今回の特集は、フリーオートメーション機器およびシステムを開発・製造・販売をしている
パスカル株式会社様にご協力いただき、金型の固定方法について紹介します。
金型の固定
生産が終了した金型を取外して搬出し、次型を搬入して固定する。
金型交換で当たり前に行なっている作業ですが、その方法には3つの種類があります。
ボルト締め | ボルトによる固定。狭い機内でレンチを使ってボルトを締めるため手間と時間がかかる。 |
油圧クランプ | 油圧による固定。クランプをスライド・ボルスタのT溝に設置。操作盤でON/OFF。 |
マグネットクランプ ※ | 磁石による固定。マグネットプレートをスライド・ボルスタに取付。操作盤でON/OFF。 |
※マグネットクランプ:別記事にて解説
金型交換に手間取ると生産に影響するため、ボルト締めを選択するユーザー様は多くありません。新設プレス機を導入する際は油圧クランプを採用して効率化するケースが大半です。
では、油圧クランプはどのように作動※しているのでしょうか?
本稿では、「使っているけれど作動原理はよく知らない…導入を検討しているので理解しておきたい」、
そのような方のために、油圧クランプを作動させている「油圧クランプシステム」ついて解説していきたいと思います。
※作動:機器がうごくこと
油圧クランプと「油圧クランプシステム」
油圧クランプは製品単体に動力源がありません。作動させるためには、動力源やコントロール機器などを合わせた「油圧クランプシステム(別称:QDCシステム)」を構築する必要があります。
油圧クランプシステムを構成する機器
下の図は、汎用プレスに油圧クランプシステムを採用した例です。
スライド・ボルスタに油圧クランプ(上型用、下型用)、ボルスタ溝にダイリフタ、プレス機ボディ側面に
パスカルポンプとノンリークバルブを設置した最も標準的なレイアウトになります。
今回は、油圧クランプシステムの概要について触れました。
いかがでしたでしょうか?
次回は、油圧クランプシステムの作動原理について解説していきます。