【新人の方に必見!】プレス能力の3要素とは? 仕事能力について

これまでプレス能力の3要素のうち、「圧力能力」、「トルク能力」について説明してきましたが
今回は3つ目の「仕事能力」について取り上げます。

仕事能力=エネルギー量

仕事能力とは、1回の加工にどのくらいの大きさのエネルギーを安全に使用できるか、
そして、1分間に何回その加工を安全に行えるかを表した能力です。
仕事能力は、加圧力×スライド移動量で求められます。

例えば、連続運転60min-1(spm)時の仕事量を下記のグラフで見てみると、1400Kgf・mとなります。
言い換えれば、140トンの圧力であれば10㎜の間押し続けることができます。
※ SI単位(単位の国際標準)で表すと、1400Kgf・mは、14kJ(キロジュール)になります。


仕事能力に関係する構造部分は、下記の図の白色で示される”モーター”、”フライホイール”、”ベルト”などです。


プレス能力の3要素 仕事能力

連続運転(連続作業エネルギー)と断続運転(断続作業エネルギー)とは

機械プレスは、モーターとフライホイールの保有エネルギー(回転蓄積エネルギー)で仕事をします。

加工時に、エネルギーが消費されるとフライホイールの回転数は低下(スローダウン)します。
このためモーターはスライドが上死点に戻るまでの間に、フライホールの回転数を回復させようとします。
上死点に戻るまでの間に、回復させることができれば、続けて加工することが可能になります。
これを連続運転といいます。(下図の左側)

一方、上死点までにフライホイールの回転数を回復させることができない場合は、
上死点または設定点でプレスを一旦停止させ、回転数の回復を待ち再起動させます。
これを断続運転といいます。(下図の右側)



上記の図の通り、加工中の仕事能力の変化は

① 加工前(上死点)の位置では、保有エネルギーがフルで蓄えられた状態
② 加工を開始し下死点に近づくにつれ、保有エネルギーを消費していく
③ 加工が終了し、次の加工が開始されるまでの間に(上死点に戻るにつれ)、消費したエネルギーを補充     

と繰り返していきます。

仕事能力をオーバーして使用すると…

プレスのストローク数(SPM)が低下し始める原因になります。
その状態で使い続けると最悪の場合、プレス内のモーターが発熱し、焼き付きを起こすことがあります。

さいごに

3回にわたり、プレス能力の3要素について取り上げてきましたがいかがでしたでしょうか。

「プレス能力の3要素」の応用編が下記にある記事になります。
是非こちらもチェックしてみてください。

■ 加工荷重とプレス選定の考え方
https://press-info.aida.co.jp/blog/technical/entry-11.html
■ 許容断続SPMってなに?
https://press-info.aida.co.jp/blog/technical/entry-119.html

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