金型の固定って、どうすればいいの?②(パスカル株式会社様 ご協力)
今回は「金型の固定って、どうすればいいの?①(パスカル株式会社様 協力)」の続きです。
まずは、システムの動力源について取り上げていきたいと思います。
システムの動力源は「圧縮空気」
システムの動力源は、コンプレッサから送られた圧縮空気。この圧縮空気の圧力を25MPaの油圧力に変換することでクランプやダイリフタが作動します。
「パスカルポンプ」=エンジン
パスカルポンプ(以下ポンプ)の役割は、弱い圧縮空気の圧力を強い油圧力に変換することです。
システムのエンジンとなる機器で、すべての油圧機器に油圧力を送り出す心臓的存在です。
ポンプがないと油圧クランプもダイリフタも作動しません。
どのように弱い圧力を強い圧力へと
「変換」しているのか?
その答えは、ピストンの面積比です。
『密閉された容器内の流体にかかる力の大きさは断面積に比例する=断面積10に1の力を加えると、断面積1には10の力が伝わる』 という「流体静力学の基本原理」を応用することで、弱い圧縮空気の圧力x広い断面積=強い油圧力へと変換しているのです。
ECOな機器です
油圧発生に必要な圧縮空気は、生産中、常に供給し続けなければいけないのでしょうか?
答えはノーです。油圧が25MPaに到達すると圧縮空気の消費は停止し、それ以降、外部エネルギーをいっさい使わずに加圧した状態※を保つことができます。
システムの構成によりますが、25MPaに達するまでの時間は長くて1分程度。ポンプ作動にかかるコンプレッサの消費電力はわずかです。
※加圧した状態:圧力が常に加わっている状態
【よくあるお問い合わせ】
Q:プレス機の電源を落としたのに、ポンプから音がします
A:ポンプはコンプレッサから送られた圧縮空気を駆動源としています。コンプレッサが起動して圧縮空気が送られている限り、プレス機の電源を落としてもパスカルポンプは作動します。
今回はここまでです。次回が最終回で「ノンリークバルブは油圧回路のコントローラ」について取り上げていきます。