レベラーフィーダーとダウンループライン、どちらを選べばいいの?③ ~生産性 & 設置条件~

こんにちは。
今回も引き続き、”レベラーフィーダーとダウンループライン、どちらを選べばいいの?"がテーマです。
前回は(1)製品仕様(=どのような製品を作るのか)の切り口で説明してきました。

今回は(2)生産性と(3)設置条件の切り口から、選定方法を見ていきます。



② 生産性の比較

まず、生産性とは”単位時間あたりの生産能力はどれほどであるか”、ということです。
先述の通り、レベラーフィーダーは、
レベラー部とフィーダー部が一体となっているので、
ワークロール、フィードロール双方の間欠動作をさせる必要があります。

一方ダウンループラインは、フィーダー装置が独立したユニットであるので、
フィードロールのみの動作でよいこととなり、レベラーフィーダーと比べ高速追従が可能となります。

また、生産能力は、前回のブログで取り上げた(1)製品仕様の要素である送り長さでの毎分ストローク数(SPM)により、評価されます。
よって生産性という点でみれば、ダウンループラインにメリットがあると言えます。
この送り長さと毎分ストローク数(SPM)の関係は、送り線図によって示されます。


送り線図(例:LFA-Aシリーズ)

③ 設置条件の比較

設置条件とは、"どれほどの設置スペースが許容されるのか、基礎工事が必要となるのか"ということです。

設置条件によって、ライン構成が変わります。

レベラーフィーダーは、アンコイラーよりコイル材を繰り出し、レベラーの手前でループをとっているため、
ライン長が板厚に左右されません。

一方ダウンループラインは、レベラーにて巻癖を除去した後ループをとっており、板厚に応じ適した
ループ形状を確保しないことには、巻癖を除去した材料に再度塑性変形が生じることとなります。
このループ形状やユニット構成上、ダウンループラインに比べレベラーフィーダーは、ライン長が短くなります。
つまり、”省スペースでの設置が可能”となります。
特に厚板になればなるほど、ダウンループラインの場合ループ形成部の長さが必要となるのでこの差が大きくなります。
よって、厚板対応の場合、レベラーフィーダーの選定が多くなる傾向があります。

上記の通り、
操作性の面で見てみると、レベラーフィーダーは各装置が容易に見渡せ1ヵ所にて操作が可能となるため、レベラーフィーダーが有利です。
また、コイルカーを使用しない場合、一般的にレベラーフィーダーではピットが不要となります。
よって設置条件という点でみれば、レベラーフィーダーにメリットがあると言えます。


どちらを選定するか決定したら・・・

コイルラインの形式が決定しましたら、
次のステップで能力に適合する機種選定に進みます。

機種選定を行うポイントの一つとして、レベラーの矯正能力があげられます。
これは、巻き癖のついたコイル材を、プレスに送る前にレベラーで矯正(=平坦)にできる能力を表します。
塑性変形を開始する降伏点応力をもつ材料の板厚と板幅について、矯正可能とする範囲は下記の矯正能力線図によって示されます。


矯正能力線図(例:LFA-Lシリーズ)

まとめ

"レベラーフィーダーとダウンループライン、どちらを選べばいいの?"をテーマで
3回にわたり、レベラーフィーダーとダウンループをご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか?
ご不明な点がございましたら、ぜひアイダにご相談ください!

カテゴリー

人気の記事

記事を検索

キーワード