プレスの総重量とは? - 基礎にかかるプレスの総重量について
プレス機械は「優しくて力持ち」の機械です。
プレス加工と同様な加工を行う機械に鍛造用のハンマーがあります。
ハンマーは金型間に発生させる力の反力を地盤で受けます。
ですので、地球を叩くことになっています。
それに対してプレス機械はプレス自身で反力を受けます。なので地球に加工の反力が掛かりません。
なので、公称能力30000kNプレス機械の基礎にかかる動的負荷は30000kNではありません。
プレス機の基礎に掛かる動的負荷を分かり易く自分自身に置き換えてみましょう。
体重計に乗って、りんごを手で潰すことを考えてみて下さい。
りんごを潰さずに静かに体重計に乗っていれば体重計の数値は一定です。
これが基礎に掛かる静的負荷で自重のみが基礎に掛かる状態です。
次に、体重計に乗ったままりんごを手で潰そうとします。硬いりんごを潰そうと体に力が入ります。
この時に体重計の数値はちょっと振れるはずです。そして潰れた瞬間に一番振れます。
この時の体重計の最大値が基礎に掛かる動的負荷となります。
よって、プレス機の基礎に掛かる動的負荷はプレス重量(質量)+αとなります。
+αはプレス機の種類(用途)によって変えていますが、一般的には重量の10%~40%となります。
体重計の上にりんごを置いてハンマーで叩いたら体重計は壊れてしまいます。
手で潰すと自分は疲れますが体重計を壊すことはありません。
優しくて力持ちですね。