ものづくり補助金が大幅拡充されました！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　拡充の具体的メリットは？②

2023.03.07

前回に引き続き、ものづくり補助金の大幅拡充についての解説です。
今回は具体的に、実際プレス購入する際のイメージをお伝えします！

☆1500万円のプレス機を購入時にどうやって使える？

(1)まずどの枠で申請すればよいか確認しよう！

14次ものづくり補助金では「通常枠」以外にも以下「特別枠」があります。

・従業員の賃金を引上げることが要件となる「回復型賃上げ・雇用拡大枠」
・DXを活用した製品開発・生産プロセス改善を支援する「デジタル枠」
・脱炭素化に資する製品開発・生産プロセス改善を支援する「グリーン枠」
・原油や物価高騰等の影響により売上が下がった企業を支援する「緊急対策枠」
・海外進出またはインバウンド対応のための設備投資を支援する「グローバル市場開拓枠」

「通常枠」が最も申請の難易度が低いですが、「特別枠」で申請すれば受給額がアップしたり優先的に採択されたりします。
たとえば、「前年度の事業年度の課税所得がゼロ以下」という条件を満たすのであれば、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」で申請した方が、補助率がアップするだけでなく、採択されやすくなります。また仮に不採択となっても「通常枠」で審査されます。
さらに大型の設備投資を行うのであれば「クリーン枠」で申請した方がより多くの補助金を受給できます。また、デジタル関連の設備投資を行うのであれば「デジタル枠」で申請した方が良いです。
自社の現状や事業の特徴等を考慮の上、どの特別枠が適しているか当てはめてみましょう。

(2)1500万円のプレス機を購入するといくら補助される？

　ものづくり補助金の補助率は原則1/2となります。つまり1,500万円のプレス機を購入すると750万円の補助金を受給できます。尚、小規模事業者または「回復型賃上げ・雇用拡大枠」等の特別枠の場合、補助率2/3にアップするため、1,000万円を受給できることになります。つまり実質500万円でプレス機を購入できます。

また、1500万円のプレス機を2台以上購入するのであれば、「グリーン枠」又は「グローバル市場開拓枠」で申請すればより大きな補助額を受給できます。たとえばプレス機を3台購入する場合、「グローバル市場開拓枠」であれば1500万円×3台×1/2=2250万円、「グリーン枠」であれば1500万円×3台×2/3=3000万円となり、実質プレス機1台分の支払いで済むことになります。

ただし、いずれも下記の通り事業実施期間（発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きが完了すべき期間）が設けられているので注意が必要です。
■ 通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠：交付決定日から１０ヶ月以内
（ただし、採択発表日から１２ヶ月後の日まで）。
■ グローバル市場開拓枠：交付決定日から１２ヶ月以内（ただし、採択発表日から１４ヶ月後の日まで）。

(3)税制優遇や低金利融資も併用しよう！

ものづくり補助金の申請の際には、中小企業庁で推奨している事業計画「経営革新計画」または「先端設備等導入計画」の申請もおすすめします。
「経営革新計画」とは中小企業が新規事業を行うための事業計画であり、都道府県の承認を受ければ、ものづくり補助金の審査の際の加点になります。その他にも、公的金融機関からの低金利融資も受けられます。
「先端設備等導入計画」は中小企業が設備投資を通じて生産性向上するための事業計画です。経営革新計画と異なり、ものづくり補助金の加点にはなりませんが、プレス機に関する固定資産税を3年間実質ゼロにすることができます。尚、この優遇措置は市町村単位で実施決定がされるため、所在の市町村のHPを事前に確認する必要があります。
上記の事業計画も併用すれば、プレス機の購入費用の一部がものづくり補助金だけでなく、低金利融資や税制優遇でも補えることができます。
※上記は2023年1月現在の制度です。今後の優遇税制等については最新情報をご確認ください。

中小企業庁HP　「経営強化法による支援」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/index.html
中小企業庁HP「先端設備等導入制度による支援」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/index.html

海外での事業拡大を支援する「グローバル市場開拓枠」、補助額が最も大きい「グリーン枠(アドバンスコース)」等、取り組みたい事業や設備投資に応じて、どの枠で申請するのか検討しましょう！