防振装置 選定方法について(三菱長崎機工株式会社様 ご協力)

こんにちは。
今回は三菱長崎機工株式会社様にご協力いただき、「防振装置の選定方法について」をご紹介します。

機械の振動はなぜ起こる?

そもそも、機械の振動はどのように起こるのでしょうか。
機械振動はパルス的に発生した衝撃力や慣性力によりフレームが弾性変形をしてエネルギーを吸収します。この間にエネルギーの一部が基礎を通して伝達され地盤振動を誘起し、振動が発生するのです。
振動伝搬の概略を下図に示します。


ご参考までに、振動レベル別に、人の体感にどのような影響が発生するかご紹介しましょう。


製造業に関する規制の基準はどれくらい?

上記のとおり、人に影響を及ぼす「振動」は法律で規制されています。
工場をもつ製造業に関する規制の基準をご紹介しましょう。


※各種区域内にある学校、保育所、病院及び患者を入院させるための施設を有する診療所、図書館、特別養護老人ホーム等の特別に静穏の保持を必要とする施設の敷地の周囲おおむね50mの区域内においては、都道府県知事が定めた基準から5dB減じた値を規制基準として定めることができる。

ちなみに、特定工場(※1)では、振動規制を守るだけでなく、公害防止管理者や公害防止統括者(※2)を選任する義務もあります。
公害防止管理者制度は、産業公害の防止という法益の重大性から、違反した場合には罰則(罰金)の対象となるため、ご注意ください。

※1:特定工場とは
   製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業に属する工場のうち、対象施設を有するもの
※2:特定工場では「公害防止管理者」を選任しなければならない。また、常時使用する従業員の
   数が20人を超える場合は「公害防止統括者」を選任しなければならない。

振動を低減する対策にはどんなものがある?

では、製造業で発生する機械による振動を低減する対策にはどんなものがあるのでしょう。
“防振”とは、振動の伝達を低減させる対策のことを示しますが、その振動低減対策は次のようなものが挙げられます。

 ①機械自体の対策により機械より発生する力(加振力)を小さくする。(振動源対策)

 ②機械を弾性(ばね)支持して機械基礎に対する伝達力を小さくする。(振動源対策)

 ③機械基礎及び据付地盤などを主として土木的検討により機械基礎の振動を小さくする。(振動源対策、伝搬対策)
 
 ④機械設置場所を対象物(例:民家、工場敷地境界、精密機器等々)より遠ざける。(伝搬対策)

 ※一般的に確実性、費用対効果が大きい②の対策(防振装置)が最も多く採用されています。

防振装置選定の手順とは

防振装置の設計検討は下記フローに基づき実施されます。
機械仕様、地質調査結果(「ボーリング柱状図」及び「PS検層図」)及び振動計測結果から機械直近での振動レベル を下記フローに基づき解析します。


防振装置の決定においては、目標とする防振効果(振動レベルLv、プレス振幅等)に対して地盤基礎条件、プレス使用条件(仕様)をもとに振動解析を行ったうえで、最適な仕様を明確にします。
防振装置の仕様だけでは、発生する振動を最適な状態に制御できないため、ユーザー様が必要とする防振効果を決定された上で、プレスメーカー又は防振装置メーカーにご相談されると良いでしょう。特に振動問題等懸念される場合は、ユーザー、プレスメーカー及び防振装置メーカーの「3者の合意」をもって基礎仕様、プレス仕様、防振装置仕様を決定されることを推奨致します。

さいごに

三菱長崎機工株式会社では、高速プレス用防振装置を新発売しました。
皿ばねタイプなので据付が簡単、省スペースでの設置が可能、メンテナンスフリーなどの多くのメリットがあります。ぜひご相談ください。


【お問合わせ】
三菱長崎機工株式会社 営業本部 東京支店 TEL:03-5548-2331 担当:渡部(わたなべ) 
お問い合わせフォーム【https://www.mnm.co.jp/inquiry.html

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