防錆油の選び方 (東京石油株式会社様 ご協力)

こんにちは。
今回は東京石油株式会社様にご協力いただき、「防錆油の選び方」をご紹介します。
防錆油は金属材料や部品、製品に錆が発生しないよう、その表面を保護する物です。
目的・用途に合わせて最適な防錆油を選定し、徹底したさび止めを管理することによって、製品の品質を高めるとともに無駄な損失を抑えコストダウンが可能となります。

錆発生の原因

 錆は、鉄と水分と酸素が揃い、鉄の表面より温度の高い、湿った空気が触れると結露して発生します。
 塵埃や塩素系化合物(指紋など)が付着すると、さらに錆の発生が加速されます。
 倉庫における昼夜の寒暖差、または海上輸送時の航路における温度差は錆を発生させる 
 原因となります。

対象物別・防錆油の種類 

プレス機や金型関連でよく使用される防錆油には下記のようなものがあります。

 ⚫指紋除去型防錆油
  金属表面に付着している指紋(塩化物)を除去する能力をもつ防錆油です。
  含塩素系添加剤加工油で加工した後は、塩化物を除去する能力をもつ指紋除去型の
  防錆油が有効です。

 ⚫屋内向け水分除去型防錆油
  主として屋内における金属の表面から水分を除く性能(水置換性)をもつ防錆油で
  あり、ベースオイルと添加剤を溶剤で希釈した溶剤希釈型防錆油です。
  水溶性加工液で加工した後は、金属の表面から水分を除く性能をもつ水置換型の
  防錆油が有効です。

 ⚫高度な仕上げ面を持つ金属製品向け防錆油
  ペトラタム、ワックス等を主成分とする、ペトラタム型防錆油です。
  加温にて塗布し、やや厚めの軟質膜を形成します。金型の長期防錆に使用される
  ことがあります。

防錆油を選ぶポイント

防錆の目的を考慮し適切な防錆油を選定します。弊社がお薦めの防錆油を選ぶ際には、
下記内容を考慮します。
 1)防錆期間    
   長期保管用なのか、中間保管・運搬用なのか、または工程間・短期保管用なのか。
 2)防錆対象品  完成品か、半製品か、または加工部品なのか。
 3)防錆工程   前処理(洗浄工程)なのか、防錆油塗布工程(浸漬、スプレー、刷
   毛塗り)なのか、加工品出荷(包装あり、包装なし)なのか。
 4)その他
  さらに状況に応じて脱脂性、作業性等も考慮して選定いたします。

 また、下記については目的に関わらず、安全面・環境面でお薦めしている内容です。

   ●引火点  
   火気に対する安全性としてできるだけ引火点の高いものが好ましいです。
   溶剤を使用している比率等で引火点は変わってきます。
   防錆油のタイプ、用途で要求が異なるので、何度以上とは言い切れませんが
   同じ用途の油剤であれば第1石油類よりは第2石油類、第2石油類よりは
   第3石油類の油剤の使用をお勧めします。

   ●安全性
   人体への影響や環境に優しく安心して使用できるものを選びましょう。
   引火点同様一概には言えませんがより安全性の高い溶剤を使用しているものを
   お勧めします。
   例:ENEOS製アンチラストテラミ シリーズなど。
   バリウム系添加剤無添加、比較的安全な溶剤を使用している油種を選定できます。


さいごに

 東京石油㈱様より
 
 近年、防錆油にも環境性能が求められるようになっています。
 高引火点、低芳香族溶剤への移行や、欧米を中心に添加剤であるバリウム化合物に対す
 る規制が強まりつつあります。
 弊社では、輸出製品・部品に対し有効な非バリウム系防錆油のご紹介なども行って
 います。どうぞお気軽にご相談ください。

 東京石油㈱様ご連絡先: 042-773-1225     info@tokioc.co.jp

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