プレス加工になぜ潤滑は必要?(ルブテック株式会社様 ご協力)
こんにちは。
今回の協力企画は、塗油装置・塗布装置を開発・提供するルブテック株式会社様に
ご協力いただき、「プレス加工と潤滑装置」をテーマに塗油装置のタイプをご紹介します。
なぜ潤滑装置が必要なの?
プレス加工時には金型により、材料を成形していきますが、その際に摩擦が発生します。
その摩擦によって
・金型の消耗を早める
・材料に負荷がかかりすぎると割れたり、傷が入ったり、
結果的に加工精度が悪くなる、等の不具合が出てくることがあります。
これらの不具合を防ぐために、材料に潤滑油を塗って、摩擦を減らすことが重要です。
ですから、プレス加工において潤滑は重要な要素の一つになるのです。
今回は潤滑装置のタイプについて、紹介していきます。
① 滴下(てきか)式タイプ
文字通り、材料の上に油を滴下する装置です。
一番単純な形だと「タンクを上に設置し、底面から滴下するだけのもの」から、
「バルブを付けて、滴下量を調整しているもの」もあります。
〇メリット
・ 単純かつ安価に製作できる
▲デメリット
・ 裏面が塗れないこと
・ 油量管理が非常に難しいこと
(滴下量が、"粘度"と"タンク内の油の総重量"に影響を受けるため)
適応ライン
下面負荷の少ないコイルラインで使用されます。
② 挟み込み式式タイプ
フェルト生地又はスポンジを上下に配置し、
その間を挟み込むようにコイル材を通すタイプです。
フェルト又はスポンジに油を染み込ませる事により、コイル材に油を塗油します。
〇メリット
・ 安価で上下両面に塗れること
▲デメリット
・ 挟み込むため薄板の場合、コイルが変形する可能性があること
・ フェルトやスポンジが消耗しやすく、糸くず等がプレス内に入り込む可能性があること
適応ライン
コイルラインで使用し、ブランク材には不向きです。
③ ロール式タイプ
上下のローラーに油を付け、ローラー間を通るコイル材に油を転写する方式です。
〇メリット
・ 挟み込み式タイプと違う点は、ローラーがコイルの送りに対し追従するため、
材料に負荷が少ないこと
・ ローラー材質により、塗り方を変えることが可能
・ ローラーの摩擦が少ないので、挟み込み式タイプと比べると
プレスへの異物(ローター削れカス)持込のリスクが下がること
▲デメリット
・ あくまで転写なので、薄膜塗油には向かないこと
・ 接触式のため、傷や金型内へカスが入り込む可能性を0(ゼロ)にすることはできない
また、ローラーの定期的な交換が必要になること
適応ライン
コイルラインで使用し、ブランク材には不向きです。
④ 1流体式塗布
油の送油圧に対し、ノズル先端で出口を絞る事により、
圧力を上昇させ、飛び出させる方式です。
"霧吹き"を想像すると解りやすいかもしれませんね。
〇メリット
・ 非接触なので、油に触れるリスクが少ない
・ 滴下よりは広がる
▲デメリット
・ 油の粘度によっては吐出出来ないこと
・ 材料下面塗油には不向きなこと
すべてのライン
下面負荷の少ないすべてのライン
⑤ 2流体式塗布
一般的にはエアスプレーといわれる方式です。
エアとオイルをミキシングし圧力を高め、ノズル先端から飛び出させる方式です。
〇メリット
・ エアとミキシングすることにより、細かい粒子を形成することが出来るため、
1液式と比べると塗りムラを少なくすることが可能
▲デメリット
・ 飛散が多く周辺環境を汚染してしまうこと
・ 粘度によって細かい調整が必要なこと
適応ライン
すべてのライン
⑥ 静電方式塗布
油にマイナスの電荷を与えることにより、微細粒子化し、
同じ電荷を持つ粒子が反発しあい、プラスの電極を持つ材料に対して、吸着させる方式です。
〇メリット
・ 吸着していく力で付着させるため、塗着効率が高く、油量の調整が容易
・ 高い吸着効果により下面スプレーでも飛散が非常に少なく、
型物に対しても、全面に均一に塗着させることが可能
▲デメリット
・ 油との相性があること
・ 占有スペースが他の装置と比べ、大きいこと
・ 他の方式と比較して高価
適応ライン
すべてのライン
特にブランク材のラインに効果があります。
潤滑装置に関して、非常に簡単にまとめてみました。
機器を選定する際の参考にしてもらえればと思います。
詳細については、下記のホームページにお問合せください。
-----------------------------------------------------------
協力会社:ルブテック株式会社様 http://lubtec.co.jp/
潤滑設備・塗油設備を日本全国の工場や設備機材として供給しています。
ルブテック株式会社の静電塗油技術は加工油だけではなく、防錆油の油膜形成においても高い評価を頂いています。
下記YouTubeチャンネルでは、様々な応用事例の動画も公開中ですので、是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCmu1TQbmPAHl0xtWjVzl9ew/videos
-----------------------------------------------------------