事業再構築補助金が大幅拡充されます!プレス購入時のメリットは?①

中小企業庁が公募する「事業再構築補助金」が、第10回公募(2023年3月下旬頃)以降に大幅拡充されます!
プレス設備の導入を検討している方にはおすすめの補助金です。
シリーズ第1回では、何がどう拡充されるのか、解説していきたいと思います。

拡充により、創設される公募枠とは?

(1)売上減少要件なし!最大1億円超の「成長枠」が創設

まず「成長枠」が創設されます。食品、医薬品、環境、福祉、ロボット、航空宇宙等のいわゆる「成長分野」へ
事業転換をする場合の取組を支援する特別枠です。

補助額は最大7000万円、補助率1/2であり、「通常枠(最大8000万円、補助率2/3)」と比較すると規模は
やや小さくなります。
しかし「売上高減少要件(連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の
合計売上高と比較して10%以上減少)」といういわゆる「売上減少要件」が撤廃されています。
つまり売上が下がっていなくても申請できるのです。
その上、補助事業期間内に事業場内最低賃金を年45円以上引上げた場合、補助率が1/2から2/3にアップします。

また、事業終了後3~5年以内にこの最低賃金の水準を達成した場合は上限額が3000万円上乗せされます。
政府が重要施策として掲げている「構造的な賃上げ」の一環として設けられたインセンティブです。
さらに、事業終了後3~5年以内に中小・中堅企業から中堅・大企業に規模を拡大した場合、上限額が
2倍になる「卒業促進枠」が適用されます。
つまり7000万円×2倍(卒業促進枠)+3000万円(賃上げ)=1億7000万円を受給できる可能性があります。
成長分野において大型のプレス機等の設備投資を検討している事業者には特におすすめです。

(2)難関だった「グリーン成長枠」が緩和される!売上減少要件も撤廃

政府が掲げる「グリーン成長戦略『実行計画』14 分野」に向けた設備投資である場合は、グリーン成長枠での
応募が可能です。(導入する設備自体に脱炭素化の要件が求められるわけではありません)
★グリーン成長戦略『実行計画』14 分野についてはこちら↓

今回の拡充では、既存の「グリーン成長枠(脱炭素化に資する設備投資を支援する特別枠)」が
「スタンダードクラス(最大1億円、補助率1/2)」と「エントリークラス(最大8000万円、補助率1/2)」に分かれます。
「スタンダードクラス」は今までの「グリーン成長枠」の要件と同じです。「エントリークラス」は研究開発期間を
2年から1年に短縮する等の要件緩和がされ、申請しやすくなっています。

「グリーン成長枠」のハードルを低くして申請者を増やすことによって、政府の脱炭素化施策「グリーン成長戦略」を
さらに促進させるのが目的です。また、「グリーン成長枠」も「成長枠」と同様、売上減少要件が撤廃されています。

さらに事業場内最低賃金をアップさせた場合の上限額の上乗せや補助率アップ、及び「卒業促進枠」も適用されます。
つまり「スタンダードクラス」であれば1億円×2倍(卒業促進枠)+3000万円(賃上げ)=2億3000万円、
「エントリークラス」ならば8000万円×2倍(卒業促進枠)+3000万円(賃上げ)=1億9000万円を受給できる可能性があります。
カーボンニュートラルに向けた投資や、風力発電への部品製造等、特に製造業に係る事例は採択されやすいようです。

(3)「産業構造転換枠」の新設

税制支援の他に、資金調達の際の債務保証に関する支援も受けられます。
具体的には、金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証のうち、
普通保険等とは別枠での追加保証を受けることができます。
たとえば、普通保険の通常枠での保証限度額は2億円(組合4億円)ですが、
さらに別枠で同額の追加保証を受けることができます。

(4)億単位の超大型投資におすすめ!「サプライチェーン強靭化枠」の新設

最後に、「サプライチェーン強靱化枠」が創設されます。
この特別枠は、海外で製造している部品を国内製造に切り替えることで、国内で完結するサプライチェーン
(原材料調達から販売に至るまでの流れ)の体制を強化する取組を支援します。
経済産業省で毎年公募されている「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の
事業再構築補助金バージョンという建付けです。
ウクライナ侵攻等海外情勢が緊迫化し、円安が進行していることを受けて、脱海外依存を進めるための
施策となります。
補助額は最大5億円(補助率1/2)と極めて大きく、工場立地等の億単位の大型投資が対象になると想定されます。


新たに新設される予定の補助枠

スケジュールについて

拡充内容を反映した公募の開始は、第9回公募(2023年1月中旬~2023年3月下旬)終了後の
第10回公募(2023年3月下旬頃開始)以降となる予定です。
申請スケジュール  等の最新情報は以下公式サイトにて随時更新されます。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

※上記内容は一部省略しており、また予定が見直しされる可能性もありますので、
申請時には必ず公式ホームページより最新の公募要領をご確認ください。

さいごに・・・

次回は具体的に、拡充された事業再構築補助金を使って、実際プレス購入する際のイメージをお伝えします。
お楽しみに!

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